『Powder Keg』

以前にClive Owen in BMW filmの記事で紹介したBMWのコマーシャル用ショートフィルムの1本なんですが。あまりにヤラれてしまったので、‘映画’として紹介することにしました。

Powder Keg
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
キャスト:
ドライヴァー…クライヴ・オーウェン
戦場写カメラマン…ステラン・スカルスゲールド
カメラマンの母…ロイス・スミス

2001年1月13日
タイムズ社の戦場カメラマン、ハーヴィー・ジェイコブズは、Nuevo Colonで行われた虐殺を目撃した後、負傷した。
窮余の策として国連は一台の車を差し向けた。彼を救い出す為に。

(本当はね、私の要らん駄文を付けたくない、観て下さい、そしたら総て判りますから、って言いたい。でもどんな話しかもわかんないのに、わざわざ名前とメールアドレス登録してまで観るのはちょっとなあ、ってこともあるだろうとは思うので、ちょこっとだけ、蛇足を。訳は意訳&要約です。)

カメラマンの救出を依頼されたドライヴァーは、政情不安の続く街で彼を車に乗せた。
「国境を…越えねばならん」
「大丈夫だ、医者が待ってる」

「戦場カメラマンなんぞになるもんじゃねえ…息子と遊んでやることも出来なかった…」
「15の戦場だ…15ヶ所の戦場に俺は居た…俺の目の前には傷つき跪いて助けを乞う人々が…俺に何が出来る?ただ写真を撮るだけだ…15の戦場で…今も…俺には誰も救えなかった…」
腹の傷を押さえてうめく男の、諦めとも後悔ともつかぬ繰言
正気づけようとして必死に呼びかけるドライヴァー
たった一度、男の顔に、かつて彼を突き動かし、戦火の中へと向かわせた、その情熱と力がよぎる。
「たった1枚でいいんだ!俺の1枚の写真が!変えることが、出来るかもしれん、何かを!」
迫り来る追っ手から逃れ、男を励ます為なのか己を落ち着かせる為なのか、ドライヴァーは声を張り上げて男に問う。
「なんで戦場カメラマンなんだ?」
「さあな、判らん…俺には判らん…お袋が俺に…‘見る事’を教えてくれた…」

カメラマンは、国境を越えなければならなかった。国境を。総てを‘目撃’した彼のフィルムに、国境を越えさせなければ、ならなかった。彼自身を、ではなく。
ドライヴァーは、救いたかった。カメラマンを。カメラマン自身を。

国境を越えた車の映像に、クライヴ・オーウェンの演技に被さっていくカルロス・ヴァレラの‘Una Palabra’(約束)が秀逸、いっそもう、クサいくらいに秀逸。

それは‘依頼’だった。依頼だったはずだ。いつしかそれは‘約束’になっていた。二人の間で。
果たすことの出来なかった‘依頼’と、託された‘約束’。
‘約束’を果たす、クライヴ・オーウェンの目が。また秀逸。こういう、押さえた感情が視線に溢れる演技ってほんとに好きだ。

もうとにかくね、ステランさんもクライヴたんも、それぞれの色気炸裂です。堪らん。
主題も俳優も、こんな濃くて重いショートフィルムって。
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by radwynn | 2005-05-19 22:24 | Movie-DVD-
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