‘能’ワークショップ

mixiのコミュニティで知った、初心者向けの‘能’のワークショップに行ってまいりました♪
場所は、京都、押小路柳馬場東入ル「大江能楽堂」。明治から残る能楽堂なのだそうです。
能楽堂!って聞いて、なんかこう厳めし〜い雰囲気を想像していたんですが、行ってみたら全然違った(笑)こじんまりしてて、田舎のおばあちゃんちの近所の、お習字とかそろばんとか教えてるとこみたいだった(どんな喩えや)
しかし中身はれっきとした能楽堂で(あたりまえや)建物の中にもひとつ屋根がある独特の造りの能舞台が、真中に。
今回のワークショップは、初心者向けということで、興味深いお話を噛み砕いて平易な言葉でお話いただいたり、能衣装について実際に着付けをしながら解説してくださったり、小鼓を打たせていただいたり、謡・仕舞をほんの少しではありましたが実際に演じて見せてくださったり、と、盛りだくさんの内容でした。
ワークショップ後に、楽屋を利用して行われた懇親会では、講師を務めてくださった能楽師の皆さんも参加してくださって、単に能を鑑賞しに行ったのではとても聞けないような細部についてのお話や、他の場所では聞けそうに無い「面白い」お話を伺うことが出来ました。
それだけでも、本当に、得がたい体験だったんです、が!
なんとなんとなんと!
私、一生に一度、きっとこれから先の人生でも絶対にありえないような、貴重な体験をさせていただきました!
能のお衣装、「羽衣」の天女のお衣装一式、なんと畏れ多くも面まで!着けさせていただいたのでございます!しかも、能舞台の上で!!
感激。震えた。
舞台に上がれるだけで震えそうなのに。衣装まで。
感動した以外の感想は…「これで舞を舞うだとぉ?ありえねぇ…」でした………



まずお衣装ですが、非常に美しいあの衣装の中には、まるで半纏のような綿入れ状のものを着けます。その上に、金襴の小袖、その上から、打ち掛けを肩脱ぎにした「水浴び」の様を表す着付け、その上から、羽衣をあらわす絽の衣装…重さは、それほど重いとは感じませんでした、しかし、布にがんじがらめにされたような感覚。そしてなにより、‘暑い’!!立っているだけで、背中を汗が流れ落ちました(汗)お衣装を汚しはしないかとひやひやして余計に汗が…
意外だったのが鬘、というか、実は鬘ではなくて付け髪、なんですね!馬の尾の毛で作った長いおすべらかし(ストレートロング)の付け髪を頭に載せて、その髪を、いちいち結うんです!…毎回かい!信じられん…
そして。面。目の前に面が差し出されたときは、本当に、手が震えました。
「自分で良いと思う位置につけてみてください」といわれて、自分の目の位置に、面の目の穴を合わせて、顔に被せました。で、その時の視界。前方しかもちろん見えません。しかも、直径3メートルくらいの範囲しか。「歩いてみてください」と言われても、足元は全く見えず。しかし、このときはどうにか歩けましたが、実はこれが正確な面のつけ方ではなかったんです。
「付けたいところに付けてください、と言いましたので、彼女はここに付けましたが、これでは下向きすぎなんです、本来は顎の位置に合わせて、こう…」と、付け直していただいた面の位置からだと…鼻の穴からしか世界が見えない!!
面の目の穴は、額の上の方に…自分の目の下辺りに、面の鼻の穴が来ていて、その穴を通して、かろうじて、舞台の床板らしきものが見える程度なんです…がらんとした何も無い能舞台上に居るにもかかわらず、その閉塞感といったら…閉所恐怖症の人には絶対ムリ!
しかしこれで舞を舞うって、いったいどういう…(汗)フォースか!そうなのか!
後でお聞きしたら、舞台の大きさは、稽古で体得しているので、見ずとも舞える、のだそうです…ある意味ほんまにフォースやん…
その他、「責任の所在をハッキリさせる」「舞台にあがったが最後何があっても惑わされずにひたすら自分の使命を全うする」など、なるほど武家文化の中で培われて来た芸能だ、と納得するお話など、のほほんと日々暮らしている私には刺激的な言葉をたくさん聞くことが出来ました。
講師を勤めてくださった能楽師の皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました!

a0009319_127271.jpga0009319_1275047.jpg
ぐりさんの御好意で、写真を頂戴しました!ぐりさん、ありがとうございます!
左が小袖+打ち掛け、右がその上に羽衣を表す絽の衣装を着けた状態です。面はまだ下向きすぎの状態です。横にいらっしゃるのは講師を務めて下さった能楽師の橋本忠樹さん。本当にありがとうございました。
[PR]
by radwynn | 2005-08-22 11:05 | Diary
<< 3度目の来日、ならず。 『300』と『炎の門』 >>