1959年1月1日、米国の傀儡であったキューバ大統領バティスタは、カストロ率いる反政府組織のゲリラ闘争によって、国外逃亡へと追い込まれる。
映画のラストはまさにその瞬間の出来事なのだ。 革命が成功した、キューバ人の自由がやっと訪れる、と信じている青年たちの笑顔が、心に痛い。ラストシーンの、キューバ人もアメリカ人も入り乱れた幸せそうな、パワフルな、解放的なダンスシーンが、あまりにも非現実的で、いや、この時には誰もがその解放感に浸っていたのだろう、この後に起こる事など誰も想像さえせずに、これこそが現実と錯覚していたのだろう。 錯覚。それがこの映画の主題だとしたら、余りにも哀しい。 白状すると実は映画の主題が今ひとつ掴めずにいる。私としては、革命を絡ませるならばそれをもう少しまともに見据えて欲しかった。裕福なアメリカの少女の抱いた幻想と、キューバの貧しい革命派の青年の、互いの錯覚と現実を、もっと鮮明に際立たせて欲しかった。 「パレスにはオレは入れない」「私のパートナーなら入れるわ」この台詞の表す現実の、どれほど厳しく残酷なことか。そしてそれに目を瞑るキューバ人青年ハビエルはどれほどしたたかだったのか。 したたか、というのはちょっと的外れかもしれない、ハビエルはきっとそこまで考えていない、彼は今自分に出来ることやりたいことを積極的にやるだけ、なのだから。彼がアメリカ人の裕福な家庭の世間知らずのお嬢様を愛していたのは確かに事実だ。だからこそ彼は‘ラテンの男’なのだから。 もし、主題が綴られた青春の1ページの、熱病のような恋に彩られた儚い夢の物語、であるならば…やっぱりそっちが主題なんだよな?だからこれでいいんだよね、きっと。甘い、夢の、物語。 …結局、ディエゴ・ルナのためのプロモーション映画、だったような気がする…。ディエゴ君の上目遣いは必殺ですな。 ラテン・ナンバーはもっと濃いぃのがあるかな、と思ってたらあんがいあっさりめだった。ちょっと残念。キューバ人のクラブでのダンスはもちっといろいろとあってもよかったのに~。モブっぽい画像ばっかりだったから。 ディエゴ君のダンスは確かに青いけどそれはそれでいいのかもな、この映画で彼が演じたのはそういう青さ、だったんだから。伏し目になったときの顔つきはエロかったよ、うん。 ダンスの練習シーンはなんか素でやってるのをそのまま撮ったんとちゃう?みたいなきゃらきゃらしたディエゴ君が堪能できましたな。「オレが女役をやるよ」とか言わなくても君のほうがずーーーーーっと可愛いです、ハイ。 あ、ラストシーンでハビエルの兄ちゃんも踊ってたよね、彼、すっげーエロかったよ踊り出すと。びっくりした。これだからラテンの男は(笑)
by radwynn
| 2005-09-23 22:08
| Movie
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