バットマン 究極の悪
早川書房 アンドリュー ヴァクス 著/佐々田 雅子 訳 ふとしたきっかけで同行したゴッサムシティでの児童虐待の調査から、ブルースは彼の両親の殺害事件の真相の糸口を掴む。手繰り寄せた過去の記録には、思いもかけない母の闘争と、そして‘究極の悪’の存在があった… →ブクログの紹介ページへ 著者のアンドリュー・ヴァクスは、青少年犯罪・児童虐待専門の弁護士。彼の著書は一貫して児童虐待の告発をテーマにしている。 本書も同じテーマにそって書かれているが、私としては、バットマンの物語としても秀逸だと思えた。ここには、両親の死に震える幼いブルースの姿があったから。 ブルース・ウェインという男は、バットマンとしての顔、大富豪でプレイボーイのブルース・ウェインとしての顔、そして、両親の死に直面し傷付いた少年の顔を持っているわけで、この3つ目の顔が、本作ではきちんと描かれているんである。 そんなブルースを支える執事アルフレッドがまた、なんというスマートさ、なんという愛情深さ!私的にはそれだけでもお腹いっぱい、って感があったり。すまん、志が低くて… しかしこのアルフレッドとブルースの関係に著者が示したかったのは、たとえ親ではなくても真の愛情を注ぐことは出来る、そしてそのような愛情がいかに人にとって大切なものなのか、ということなのだろう、な。まあ、こういう解釈はあんまりしない方がいいな。考えるな、感じろ、だよな。
by radwynn
| 2005-07-16 22:44
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